確かに。納得のご意見です。
今日のおはなし:
アイドルウォーズってこの腕の振りでジャイロ狂わんの??
— モリゾー (@matcha_hai) 2021年4月15日
通常のプレイヤー(上位陣など)はちゃんとチャージ姿勢保って効率的に動いてるはずなのに8Fのデバイスはシールド全然たまらないみたいな事が頻繁に起こってるけど何で??
機材整備お頼み申すーー。#HADO#なんでなん#運営さんお願い https://t.co/8HjufeaZUK
少しHADOの歴史を遡ると、そもそも、HADOとは腕をとにかく振り回すだけで弾が出る競技でした。
2016年のワールドカップの映像で、その様子をご覧いただけるかと思います。
これはこれで面白いのですが、何の戦略性もありません。
ステータスのカスタマイズもありませんし、とにかく左右に動いて、とにかく腕を振ったほうが勝ちです。
昨今口を酸っぱくして言っている「よくわからない」の究極をいったような形ですね。
さて、この2016W杯後、HADOにアップデートが入りました。
その名も「PRO版」であり、現在のステータスカスタマイズの要素や、お祭り感(=ブーストタイム)の削減などが導入された、非常に大きなアップデートです。
アニキのYoutubeからお借りしています。
ここで「エナジーボールの撃ち方」にエンハンスが掛かっている旨が紹介されています。
これによれば、今までは「腕を軽く振る」だけでよかった行為が、
「正面に勢いよく腕を突き出す」ことが必要になった、と記載されています。
結論から言うと、アイドルたちがプレイしているモード(便宜的に「アイドルモード」と呼びます)は、この旧版の判定システムだと思っていただいて差し支えありません(微妙な違いはあります)。
ここで重要となるのは「正面に」という点です。
ここからは少し開発目線な話になりますので、気が済んだらぜひ練習に戻ってください。
まず先に「勢いよく」の部分の話をしますが、これは加速度が一定以上掛かっているかどうかという話です。これはアームデバイスの前側をxと置いたときのx方向に掛かった運動速度の時間微分を取っています。また、y方向(縦方向)へもある程度遊びを持たせており、このxy成分の割合が一定以内であることが弾発出の条件となっています。yに遊びがあるということは、つまりある程度斜め向きの加速度でも発射できるということですね。まあこの辺は本題ではないので、そうなっているもんだとご理解ください。
位置・速度・加速度と微分 | 高校物理の備忘録
続いて「正面に」という判定についてです。
アームデバイスには前後があります。iPod Touchのホームボタン側が後ろで、インカメラ側が前ですね。
弾の射出判定は前述の通りこの前(インカメラ)側に加速度が一定以上掛かっているかと、かつアームデバイスが地面に水平になっているかどうかを判定しています。これはざっくりデバイスが横向きになっているかどうかを判定しています。
地面に対して水平である=アームデバイスは横向きである=正面に向けて弾が放たれている という判定です。
逆に言えば水平かどうかしか見ていません。
ですので、飛行機で言うヨー方向(選手が真横を向いている等)や、ロール方向(アームデバイスが腕の側面に付いている等)では、出方に差は無いということです。
この原理により、死に際のラオウのように腕を上に突き出したり、某トたけし氏のコマネチのように下に突き出しても、アームデバイスの前側に加速度はかかりますが、腕は水平でないので、弾は出ないということになります。
次に、アームデバイスにつきまとう問題の1つであるOverActionの話です。
もともとアームデバイスは音楽を聞く機械なので、振り回して使うものではありません。精密機械に変わりはないので、振り回して使っていればジャイロ計は壊れます。
しかしジャイロ計は壊れても復活できるようになっています。なぜか?地球には地磁気と重力があるからです。南極と北極にはでかい地場があり、コンパスのNは常に北を指し続けます。ジャイロ計は、磁気センサを利用し地磁気や重力でジャイロを補正しています。みなさんにOverActionになったらじっとしていてくださいと言っているのは、センサーが地球の地磁気や重力情報を集めているからです。しばらくして地磁気が北を判定、重力により下を判定し、ジャイロセンサーは復活してくるのです。
さて、人間がジェットコースターに乗ると天地がわからなくなるように、アームデバイスも上下左右に振り回されると天地がわからなくなってきます。ジャイロセンサーがおかしくなった瞬間です。
前述の通り、通常のHADOでは、腕が「水平かどうか」を確認しています。なのでアームデバイスの上下がわからなくなった場合、この「水平かどうか」が判定できなくて弾が出なくなります。まさにジェットコースターに乗っている最中では、振り回されていることは分かりますが、自分が今どちらを向いているかはなかなか分かり難いものです。
つまるところ、アイドルモードではこの水平を判断していません。ゆえに初期のHADOと同じように、とにかく振り回されていたらとりあえず弾は出る、というような非常に簡単な判定となっているのです。
この違いから分かる通り、ジャイロがおかしくなったときに弾が出ないのは、「振られているのが分からない」のではなく、「水平かどうかが分からない」から出ていないのです。
そもそもジャイロと加速度はまったく別物で、両者をまとめてIMUセンサ(=InertialMeasurementUnit, 慣性計測装置)と呼びます。上記の状態では、ジャイロ計はおかしくなっていますが、加速度計はおかしくなっていません(多分)。ですので振られていることは分かりますが、向きだけが正常に理解できない、という状態になっているわけです。
つまり、腕が水平なら(だと誤認すれば)出るはずなので、OverAction中でもどこかの角度では出ます。OverActionのときに変な角度でチャージされたことはありませんか?アームデバイスから見ればあれが上なので、つまりあそこからピッチ方向に90度倒して加速度を与えれば弾は出ると思います。まあジャイロがイカれてるのでそのピッチ方向というのが分からないんですがね。ガハハ。
と、このように、アイドルモードではめちゃくちゃ振っても弾が出るようになっています。
みなさんはプロなので、OverActionを出さないように頑張りましょう!
もっと弾を出したいなら、アイドルになりましょう!
こんなもんかな?ちょっとコアな話なので300円くらいの有料記事にすればよかった。ではまた!